巷では『八重歯ガール』がブームだそうです。

賛成派、否定派さまざまですが、歯科においては八重歯がある場合は、骨格が小さく歯並びの不揃いがあるため、いろんな不具合をおこしやすいため、一般的には治療の対象（否定派）となっています。

最近、もともと八重歯だった方が治療を受け、比較的きれいな歯並びになったのに、元の状態が良かったのでなんとかしたいと相談に来られた方がいました。通常と逆パターンなので治療後のイメージが湧きにくく、ご本人の感覚やイメージに近づけるように、修正作業をくりかえしています。

 

また若い女性で、きれいな歯並びにもかかわらず、八重歯を作って欲しいと希望されてくる方も数人いらっしゃいました。付け爪のように『付け八重歯』なるものが存在するそうですが、ほとんどのクリニックでは対応していません。それはいかにして美しく、機能的にきれいに仕上げたいという歯科医師の本能のあらわれでしょう。

 

八重歯以外にも、野球選手だった新庄さんの恐ろしいほどの白い歯や、女性には不自然な角ばった歯を希望される場合に、クリニック側の常識を押し付けるわけにもいきません。このへんは、医療というより美容に近い行為です。

個人個人の価値観はさまざまです。私はどちらかというと個性を尊重したいのでできるだけ希望に応えたいし、『きれいな歯並びありき』という頑固さはありません。ただ、沢尻エリカをはじめ、昔アイドルだった『八重歯ガール』のみなさんがこぞってきれいな歯並びにしている現実にも十分わかってほしいところでもあります。