マウスピース矯正はワイヤーやブラケットを使用しないため、従来の矯正器具に比べると見た目は付けているのがほとんどわかりません。

マウスピース矯正

マウスピース矯正とは

透明な取り外し式のマウスピース装置(アライナー)を使用し、歯並びを改善していく矯正治療です。約2週間ごとに装置を取り換えて、徐々に歯を動かしていきます。移動量は最大1mmの範囲で作成します。アライナーは動かしたい形態に作られているため、新しいアライナーを使うときが一番窮屈な感じ(矯正力)がして、歯が動いてくるにつれ違和感がなくなっていきます。

ワイヤーやブラケットを使用しないため、従来の矯正器具に比べると見た目は付けているのがほとんどわかりません。患者さん一人ひとりにカスタムオーダーで作製されます。治療プロセスや結果は、模型やパソコンを使い、視覚的に歯の動きをイメージすることができます。アライナーを一日20時間以上つけることで歯並びの治療をしていきます。

マウスピース矯正の種類

現在使用されている主流なものはインビザラインアソアライナーです。アソアライナーやクリアアライナー、そのほかの大半のマウスピース矯正では、各ステップ毎に透明なアライナーを作製し、交換して使用していきます。

模型上で歯を移動させアライナーを作成していきます。当院では殆どの方がアソアライナーでマウスピース矯正を行っています。

アライナー装着前後

インビザラインは、治療開始から終了までの各段階のアライナーをコンピューター上ですべて作製して、それを2週間毎に順次交換し続けて使用していきます。来院回数が少ないことと適応範囲が広いというメリットがあります。

ただ矯正中、むし歯治療などで歯の形が変わったり、装着を怠ってアライナーが入らなくなると、以後のアライナーが使えなくなるため、再度作成することもあります。また、歯の移動がコンピューター上の予測通りに進まない場合にも、同様に再製をする場合があります。

マウスピース矯正の特徴

マウスピース矯正でどんな歯並びでも治療可能というものでは ありません。アソアライナーは部分矯正の一部が適応症です。

  • ★一日20時間以上の装着が必要です。
    ここが一番重要なポイントです。それ以下では十分に歯は動いていきません。
  • 出っ歯や引っ込んでいる場合やすきっ歯、矯正治療後の後戻りなどに適しています。
  • 歯の垂直的な移動、犬歯や奥歯の移動や回転(ねじれの解消)は容易ではありません。(インビザラインでは可能)
  • また、歯の大きさと顎の骨の大きさの差が極端な(抜歯矯正が必要な)場合には、対応できません。

メリット・デメリット

  • ●針金や矯正器具をつけなくていい
  • ●透明なので目立たないし、違和感や痛みが少ない
  • ●ホームホワイトニングの併用も可能
  • ●歯磨きがしやすい
  • ●ワイヤー矯正に比べると治療期間が長くなります
  • ●ワイヤー矯正のような3次元的に歯を動かすことは難しい場合があります

アソアライナーによる治療の流れ・治療期間

①歯型を採って、模型分析を行います。

②マウスピース矯正が可能な場合、アライナーを作製(約10日の作成期間)後、アライナー(ソフト・ミディアム・ハード)装着開始。

  • ソフト:1週間
  • ミディアム:1週間(必要に応じて)
  • ハード:1週間

③2回目のアライナー作製のための型採りをします。
追加のハードのアライナーお渡し

④約10日後に新しいアライナーのお渡し。
以後、③④の作業を歯並びが整うまで繰り返していきます。

治療期間は歯並びの状態・アライナーの使用状況にもよりますが、半年~1年を目安に行っています。

マウスピース矯正の完了

保定用のアライナーを装着し、歯並びが安定するようにします。矯正で動かした歯はそのまま放っておくと、元に戻ろうとします。この後戻りを防ぐために「歯並びを安定化させる保定」を行っていきます。

マウスピース矯正の注意点

飲食する場合にははずします。(無糖の飲み物はそのまま飲んでも大丈夫です)アライナーの汚れが気になる場合は、水洗もしくは食器用洗剤で洗うか、専用の洗浄剤を使用します。お湯を使うと変形するので水で洗ってください。歯を移動させる場合のアライナーは通常2週間で新しいものに取り替えるようにしています。

一日最低20時間以上の装着と約2週間ごとの来院(アライナーの作製のため)が難しい場合には、マウスピース矯正は十分な効果はえられません。

装着時間が短くて、予定治療期間より長くなった場合に、費用が追加発生することはありませんが、歯は動きにくいので、通常のワイヤー矯正への変更をご検討いただく場合もあります。