セラミック治療による短期(クイック)矯正と通常の矯正とのちがい
奥歯はきれいな歯並びをしているけれど、『前歯が1本だけねじれている、前に出ている、引っ込んでいる』という悩みを持たれて方は少なくありません。さらに『針金などを使った矯正治療はしたくないし、時間もかけられない』ので、セラミックの歯による審美治療を希望される方が多く来院されています。
セラミック矯正とは、歯の大きさ・形・歯並びなどを『セラミッククラウン』で形態を修正してきれいにする方法です。セラミッククラウンをかぶせるためには、問題の歯を削って、型採りをし、新たな形の歯を作って装着していきます。したがって通常は2~3回の通院で終了するのです。
『簡単そうだな』と感じられても仕方がありませんが、実際のところ、仮歯で形態を確認しながら修正を重ねたり、歯ぐきの位置をそろえたり、隣り合う歯の位置との大きさのバランスを考慮したり、歯ぐきの状態を改善していくことも重要です。また、歯並びのズレが大きい場合は神経の治療が必要になることも少なくありません。
形や歯並びがふぞろいなだけできれいな歯を削ってしまうことは、歯科医として躊躇する場合もないわけではありません。事情が許せるなら、矯正治療できれいな歯ならびにする説明も同時におこなっています。両方の治療内容を詳しく理解していただいたあと、最終的に希望される治療法を判断してもらうようにしています。
セラミッククラウンによる治療例(1)
前歯の横2本が内側に引っ込んでいる。
治療回数は3回でした。
歯の向きを大きく前に出して作ったので神経の治療を行っています。
セラミッククラウンによる治療例(2)
前歯の横が1本内側に入っている。
ガム(歯ぐき)ラインをそろえた後、セラミッククラウンを装着しましたが、神経はなんとか取らずにすみました。治療回数は3回でした。
矯正治療による引っ込んだ歯の治療例
下の引っ込んだ歯に舌があたってしゃべりにくいために矯正を希望されました。
通常の針金による部分矯正を4ヶ月間行っています。
矯正によるねじれた前歯の治療例
前歯がねじれて半分前に飛び出しています。隣の歯もわずかに傾斜したり、ふぞろいなため4本を全体的に矯正によって整列させています。
半年後には、ねじれていた歯だけでなく、前歯4本がきれいに並びました。
同じように悩まれている方々です。
前歯がねじれていたので、矯正治療を希望され、始められたところです。ねじれた歯を含めて4本が微妙にふぞろいなので、同時に歯並びを整えていく予定です。まずは、歯が並ぶスペースを確保するために、入れ歯のような装置(矢印のフック)を使っています。
もうひとり前歯が斜めに張り出している方です。セラミックによる短期矯正を希望されていました。斜めに出ている歯の左側の歯がかなり内側に引っ込んでいるため、全体的に左サイドにずれていました。カウンセリン後、2本含めてきれいにならべて上下の歯並びの中心もそろえられる矯正治療へ気持ちが変わっていかれました。
歯並びの状態や環境・職業・生活は一人ひとり違うので、その方に一番望ましい方法をカウンセリングで一緒に考えていくことが重要なのです。